2015年9月8日火曜日


   「冠岳周辺は桃源郷かもしれません。」              小山 茂

 いちき串木野市に「冠岳歴史自然の里」があります。この麓を何度も車で通って、川にかかる木製の橋を写真に撮り月報に載せたことがありました。薩摩川内北中学にギデオン聖書贈呈を早朝終えた帰り、冠岳を山歩きしたいと思って寄りました。予想以上に広く豊かな自然に驚き、その一部を散策するだけで終わりました。串木野ダム・冠岳花川砂防公園、冠岳展望公園だけを見て、山歩きは次の機会に取っておくことにします。

 冠岳と呼ばれる由来があります。「東海に蓬莱の島あり、その神仙から不老不死の霊薬を求めよ。」今から約2200年前、中国の秦の始皇帝から命を受けた方士(神仙道の使い手で、不老不死の研究家)徐福は、串木野の冠岳を訪れ、その景色の素晴らしさに、自らの冠を解いて頂上に捧げたそうです。そのことから、この地を冠岳と呼ぶようになったとの説があります。徐福伝説は鹿児島県串木野市を始めとして、佐賀県佐賀市・三重県熊野市・和歌山県新宮市・山梨県富士吉田市など、日本各地にあります。《いちき串木野市のパンフレットから一部引用》
 
 訪れた「(かん)(がく)(えん)」と呼ばれる中国庭園は、独特な中国の雰囲気を漂わせる見事なものでした。建物の屋根の先端の瓦は跳ね上がり、橋にはふんだんに彫刻が施され、池には大きな鯉が泳、中国風の趣に溢れていました。八角形の建物の中には書や家具や刺繍絵など、国内では見られないものでした。平成44月に徐福の故郷中国との友好交流の願いを込めて、中国の専門家のアドバイスを受けて造られたそうです。庭園の様式は「自然式山水庭園」で、明や清の時代に多く造られた中国庭園のメッカである蘇州近傍の庭園の形をモデルとしているそうです。
 
 庭の掃除をされていた方から聞きますと、その下に「花川砂防公園」も造られ、竹下内閣のふるさと創生事業の一億円がその整備に使われたそうです。公園の中にあるトイレの立派なのには驚きました。白を基調として外の空間を取り入れ、開放的な気持ち良さに長居をしそうでした。私が体験したトイレの中で、最も素晴らしいものでした。平日の昼間に訪れたのに、私の他に親子連れがひと組いただけでした。皆さん是非この地域を一度訪れてみませんか。森林浴に、ハイキングに、近くに「冠岳温泉」、産直野菜の販売、うどん屋さん、カフェもあります。私もリピーターになりたいと思っています。
 
 
冠嶽園の中庭

蓮苑とハスの花

花川砂防公園のせせらぎ水路
 
徐福像