「みんなでハワイへ」
クレヨン牧師のミニエッセイ
「みんなでハワイへ」
九州の山奥に過疎化のために若者が一人もいなくなった村があります。この村が若者に帰ってきてくれるために努力した話を聞きました。きっと涙ぐましい努力があったと想像しますが、その逆でたいへん楽しい努力だったそうです。
まず、村のお年寄りは「楽しさ」をテーマとしました。とにかく楽しい村にしようとしたのです。いろいろな計画がもちあがり、何が一番楽しいかを考えました。結果的には自分たちが一番楽しいことがいいとなったのです。そこでみんなで梅の木を植えまして、梅製品を造り始めたのです。なんでそれが楽しいのかといえば、その梅製品の販売利益でみんなでハワイ旅行をしようときめたのです。そして、その旅行の楽しさや、梅造りの楽しさを新聞にして、村から出ていった若者に毎月送り届けたというのです。
「いまこれが楽しい」「みんなでいったハワイ旅行は楽しかった」「村のこれがいま楽しい」などなど、楽しいことを企画してその楽しさを届けたのです。数年後その村がどうなったかおわかりでしょう。いまや若者とお年寄りのバランスのいい村となったのです。
この話を聞いて、「これからの教会の宣教はこれだ」と直感しました。私の宣教方策はまず楽しさからです。楽しさのなかで福音を分かち合いたい。