「正しい行動をとる」
箴言 11:5 無垢な人の慈善は、彼の道をまっすぐにする。
ここ数年のタイガーマスク現象(「第1号」はクリスマスの朝、群馬県中央児童相談所(前橋市)に届いた。玄関前に、包装紙にくるまれたランドセル10個(計30万円相当)が積まれていた。「伊達直人」という差出人名を聞き、「タイガーマスクでは」と気づいた。それが全国にひろがった)をうけて、精神科医はネットニュースの中で次のようにコメントをしていました。「児童虐待などで子どもに同情している人や、誰かを喜ばせたいと思う人が多いのだろう。素直に行動に移せなかった人がヒーローの名を借り、行動に移せたのかもしれない。ただ、物を置いていくのは一方的。『できることはありますか』と声に出し、自ら動くことで感謝されればより大きな喜びは得られる」と。この現象、人と人が双方向にかかわる動きに発展するかとニュースは問いかけていました。
箴言11章の3節から6節までは「慈善」をテーマに語られます。その「慈善」といっしょに何度も出てくる言葉は「まっすぐ」というものです。聖書では「正しい人」と訳されていますが、これも「まっすぐにする」という言葉です。正しい人は共同体の期待に応えて正しい行動をとる者であり、誠実にそれを実行するのです。共同体の期待に応えることに慈善の意味があります。
ある仮設住宅で「おすそわけプロジェクト」を行いました。「ルーテルおすそわけ」が口コミで広がっていました。第1回目のときは20名位の被災者の方がこられたのですが、ある時7は開始1時間以上前にすでに200名の方が待っておられました。この時「大変なことになった」と思いました。品数が少ないと思ったからです。これではみんなにいきわたりません。それでも計画通り実行しました。やっぱり一つもとることができない人もおられました。申し訳ない気持ちになっている女性会の方々の所に一人のおばあさんがこられました。被災者の方で99歳だそうです。彼女も1時間待ってなにも受け取ることができませんでした。おばあさんは女性会の方々に優しく言われました。「あんたたちは悪くないよ。遠くから物資をもってきてくれたのだから。もらう方も悪い。みんなでわけあってもらえばいきわたる。ひとりがたくさんとったからだよ」と。
東日本大震災から7年が過ぎました。ルーテル教会も支援活動をしました。被災地での支援部しい配布、心のケアなど。これもまた「できることはありますか」との問いかけからはじまったことでした。神様の導きのもとで「まっすぐ」に行動することは何かを教えられたできごとでした。祈りとみ言葉によって正しい行動は導かれるのです。