阿久根ルター君の朝のみ言葉
「子孫はわかれて」
創世 10:31 これらが、氏族、言語、地域、民族ごとにまとめたセムの子孫である。
熊本震災救援活動のはじめから「心のケア」「傾聴ボランティア」が必要であると言う声を多くきいています。また、すでに多くの団体、個人が現場に入り活動をされています。とくに5月終わりごろから、各宗教団体、NPO、諸団体が「心のケア」ボランティア登録し、その数は急増しています。とても大切な活動だと思います。ただ傾聴を考えると、熊本の田舎は方言が難しいということです。ある時は外国語に聞こえることさえあります。そのような中で傾聴して寄り添っていくことの大変さを思います。そこに生きておられる方の地域、言語、コミュニティをよく理解して活動を進めなければなりません。それには共に汗を流すことから信頼を得て、心を通わせることの重要性を感じるのです。
洪水によってノアとその家族以外、全ての民は滅ぼされてしまいました。洪水のあとノアの息子たち3名の名前が記されています。セム、ハム、ヤフェトです。ここからまた新しい系図がはじまりました。子孫が与えられ、各地方に散っていき、民族を作り上げていったと聖書は記しています。もとをただせばノアからでてきた子孫であり、さかのぼれば神様が創造された人からの流れが続いているのです。ところがすでに「氏族」「言語」「地域」「民族」というグループに分けられており、ひとつであったものが分けられていく様子も示されています。
いま「自立支援」が叫ばれています。そろそろ自立の道を模索しなければ、依存が強くなっていくからです。すぐに自立しなさいではなく、徐々に自分たちで自立の道を見出していけるように援助することです。しかし自立ということは、バラバラになることも意味します。苦難を共にしてきた集団が、分かれてまた新しい集団をつくることでもあります。結局自立していくには何が必要なのか。やっぱりコミュニティだと思います。同じ一つのコミュニィであることの認識が人を支えていくのではと思います。
ノアの子孫も「氏族」「言語」「民族」といったように分かれて系図にまとめられています。そのことの意味は、それぞれの個性があり、みな同じではないということでしょう。ただひとつ同じことは、全てノアからでている。遡ると神様が創造された人からでたということです。最終的にはここで一致できるという奇跡があるのだと思います。