2019年3月14日木曜日

「信仰は神様のもの」

クレヨン牧師のミニエッセイ

「信仰は神様のもの」
 
 ラジオで次のような話が流れていました。
 
 一人の婦人がクッキーを一袋買い、それを持って空港の待合い室で本をよんでいました。夢中になって本を読んでいるうちに、ふと気づけば横にいる男が、こともあろうに二人の間に置いた袋からクッキーをつまんでいたのです。婦人は知らんぷりしていると、クッキーをどんどん食べていくのです。内心「あたしがこんないい人でなけりゃ、ぶん殴ってやるわ」と思いつつ。そしてついにクッキーは残り一つとなりました。この男はどうするかと見ていると、ニコッと笑ってそのクッキーをとり、二つに割って自分に差し出したのです。婦人はこんなに腹立たしいのは生まれてはじめて、と立ち上がって自分の飛行機に向かったのでした。
 
 婦人は飛行機に乗り、座席に身を沈め、やおら本を探し始めました。荷物をまさぐった婦人は、驚いて息をのんだ。なんと自分が買ったクッキーがそこにあったのです。
 
 ラジオは笑い話として放送していましたが、なぜか笑えませんでした。神様と人間の関係と重ね合わせて聴いてしまったのです。私たちは神様のものである信仰を、自分のものとして欲張って独り占めしてはいないだろうかと。神様の愛は多くのひとと分かち合うために与えられているのではないでしょうか。