2018年5月10日木曜日

「なつかしい匂い」

 
クレヨン牧師のミニエッセイ

なつかしい匂い」
 
 今年初めて、「白い吐息」を見ました。というのも、先週六日市での帰り道に外に出てみると、ハーッと出た吐息が真っ白になったのです。もう季節は冬なのです。最近まで暑いと思っていたのに不思議です。
 
 この季節は私の好きな香りがします。あの籾殻を焼いている匂いです。あの匂いを嗅ぐと季節を感じますし、生まれた田舎を思い出してしまいます。あの籾山の中に芋を入れてよく食べました。しかし、走り回っていたので、どの山に入れたか忘れてしまったことなどもありました。そんなことを思い出させてくれるの匂いなのです。
 
 人には、なつかしい匂いというものがあります。この匂いは忘れられないものとか、この匂いを嗅ぐと安心するとか。他人には臭くてしかたないものでも、自分にとっては思いでの一部になっていることもあるのです。とくに漬物などはそうかもしれませんし、香水にいたっては言うにおよばずです。
 
 「キリストの香り」という言葉があります。どんな香りでしょうか。これは人それぞれだと思います。しかし、どんな香りであってもよいのです。その人がその「キリストの香り」によって平安を得ることができたらそれでよいのです。一番悲しいのは、その香りを忘れてしまっているときだと言えます。でも安心してください。ふとどこからともなく漂ってきますよ。きっと。