「嘘と欲」
2ペトロ 2:3 彼らは欲が深く、うそ偽りであなたがたを食い物にします。
マーク・トウェインの言葉に次のようなものがあります。「嘘というものは無駄に使ってはいけない。いつ必要になるかわからないから」。嘘をつくということは許されることではありません。ひとつ嘘をつけば次から次と嘘を用意しなければならなくなります。結局、嘘は暴かれてしまいます。しかし、嘘をつかなければならない時もあります。それは人生において1回位の事です。そのときのために無駄に使ってはいけないのです。トウェインの言葉に「怪しいとおもったら、真実をかたることだ」というものもあります。真実を語ることが、嘘をつかないということです。嘘を無駄につかわないことなのです。
ペトロは「偽教師」についての警告をしています。異なる教えを退けなさいと忠告しているのです。これまでもイスラエルには真の預言者と共に、偽預言者もいました。同じように異なる教えを広めるキリスト教分派のような教師たちがあらわれています。しかもその偽教師たちは多くの支持者をえていました。またそこに金銭的な欲もからまって、人々が食い物にされている現実もあったようです。ペトロは、嘘の教えと金銭が人々を滅びへと導いていたことに忠告いているのです。
若い時『第三舞台』の役者さんのご招待で、『モダン・ホラ-』という演劇を観てきました。言葉の洪水のような、次から次へと襲ってくるギャグとセリフに唖然としました。しかし、よくよく聞いてみると、一つ一つに重いテ-マを抱え込んでいることが解りました。ひとつのテ-マにギャグをふんだんに盛り込んで、それでいて胸にぐっと迫るものがある。笑いのなかにある真実の重みを感じました。「壁があれば倒せばいい。するとまた壁がある。はっはっはっ」。私たちのまわりにはギャグでごまかそうとするものもありますが、その中に何かを訴えようとするものもあります。イエス様の業や言葉をきくとき、「そんなバカな」とふっと笑ったりするときでも、心には何か残っているものです。心に残っているもの、それが真実です。私たちの周りには真実を見つけようとすればできるのです。
ペトロは「うそ偽りであなたがたを食い物にします」と言います。うそ偽りは私たちを食い物にします。それに騙されないためには、真実を知ることであり、真実を語ることしかありません。その真実は、神様のみがもっておられるもので、イエス様のみ言葉にしかないものです。