「ほしかった携帯電話」
クレヨン牧師のミニエッセイ
「ほしかった携帯電話」
もう20年前の話です。
「新任教職オリエンテーション」に講師として参加してきました。私に与えられたテーマは「教会のおかれた地域・その働き」というものでした。多くの教会から、徳山教会は「どうも楽しいらしい」と思われているみたいです。もちろん不思議と楽しいことがいっぱいあるのですが。
さて、新任の牧師の研修会で、牧師には携帯電話が必要であると確信しました。というのも、牧師はいつ何が教会の皆さんに起こったとしても連絡がつかなければならない。羊飼いは二十四時間体制なのだと知らされたのです。また、牧師家族の安心のためでもあります。留守中の教会には何が起こるかわからないからです。また震災の救援活動を通して、その大切さを理解できました。
それで、コツコツためたへそくりで、さっそく「携帯電話」を買いました。いえいえ本当は持ってみたかったのです。これでいつでも連絡がつくことになりました。教会、皆さん、そして家族との連絡が常にできます。この安心感なのでしょうね。携帯電話を嬉しそうに眺めていると、華美が大きな声で叫びました。「お父さん、またおもちゃ買ってズルーイ」。
どうぞいつでもお電話ください。