父の恋愛小説
クレヨン牧師のミニエッセイ
「父の恋愛小説」
祖母の葬儀に出てきました。八十七歳でした。葬儀が終わってから到着したのものですから、行ったときには思い出話で賑やかでした。
さて、いろいろな思い出が話されるなかで、拙著「神様のクレヨン」の話になりました。皆さんがいうには、私が父の血をひいているというのです。そして突然、父の弟にあたる叔父が「そういえば、兄は小説を書いていた。たしかあれは恋愛小説だったよ」というのです。
父が小説を書いていたなんて、ちっともしりませんでした。そしてまさかそれが恋愛小説とは思いもしませんでした。その小説をぜひとも読んでみたくてしかたありません。本当の父と会えるような思いがするのです。
私たちは直接イエス様と出会うことはできません。しかし、弟子たちがイエス様の言葉や行いを書き残してくれました。それを読むごとに、イエス様と出会うことができます。イエス様のお言葉のひとつひとつが、その体のぬくもりを通して語りかけきてくださるのです。
父の「恋愛小説」を探してみようと思います。父が何を考えて、何を思い続けてきたのか。私にとって父と出会うことは、キリストと出会うことでもあると思います。