2017年3月28日火曜日

ありのままで

クレヨン牧師のミニエッセイ
「ありのままで」
 
 カウンセリングの本に次のような話が書いてありました。
 
 外国のある学校の話です。その学校はとても評判の悪い学校でした。卒業生の中にはまともなものはあまりいず、警察のお世話になるものばかりでした。あるときそこの学校の先生は、驚くべきひどいことをしました。それは卒業生名簿を持ってきて予想を書き込んだのです。「こいつは泥棒。こいつは殺人犯。こいつは詐欺師」と。よその子の分まで将来の予想を書き込み、あたるかどうか同僚と賭けたのだそうです。
 
 十年後、その先生が追跡調査をしました。すると一つのクラスに限ってことごとく予想が外れてみんな立派な人になっていました。その学校始まって依頼のことでした。追跡調査の結果そのクラスの全員から、一人の女の先生の名前が聞けました。しかし、その先生は教師としての能力がないということで一年で止めさせられた先生だったのです。
 
 別に普通の先生でした。特に教育理論もない先生でした。今は老人ホームに入っているその先生からは特別なことは聞けませんでした。しかし、ただひとつ違うことは、卒業名簿をながめながら、「ああこの子は好きだったわ。この娘はどうしているだろう。好きだった。この子はやんちゃで好きだった」と涙を流していたのでした。
 
 人はありのままで愛されると変わるのです。キリストもありのままの私を愛されるのです。