2018年9月13日木曜日

「神様におまかせ」

クレヨン牧師のミニエッセイ

「神様におまかせ」
 
 ユダヤ教の話に次のようなものがあります。
 
 あるラビが、弟子たちに問題をだしました。「安息日に、金の入った財布が落ちているのを見つけた。おまえは、その財布を拾うか否か」。これが問題でした。もちろん、安息日の律法では、金を拾うことが禁じられています。だから、律法においては拾ってはいけないのです。指名された一人の弟子は、「もちろん、拾いません」と即答しました。あたりまえの答えです。ところがラビは、「おまえは馬鹿だ」と弟子を叱りました。言われて弟子はきょとんとしています。そこでもう一人の弟子が指名されました。前の弟子のことも考えながら、「はい、もちろん拾います」と答えました。すると「おまえは罪人だ、けしからん」と叱られました。三人目が指名されました。彼は困りました。どちらも答えられなかったからです。あなたならどう答えますか。
 
 この三人目の弟子は、静かに考えながらこう答えました。「わたしにはわかりません。きっとその場になれば、拾おうか、拾ってはならないのか、あれこれ迷うだろうと思います。しかし、わたしは、きっと正しい決断ができるだろうど信じています。神様が正しい決断をさせてくださると信じています」と答えました。 これは、深い話だなと思います。「これをせよ」「これはしてはならない」にとらわれないで、神様にまかせることができますか。