「大人の国に旅して」
クレヨン牧師のミニエッセイ
「大人の国に旅して」
ドイツはとても奇麗な国でした。はじめてのヨーロッパでしたが、「大人の国」なのだという感想を受けました。
フランクフルトに着き、まず驚いたことは「入国審査」が簡単なことでした。チラっとパスポートを見せるだけなのです。そして駅。なんと改札には人が誰もいないし、改札さえないのです。つまり、自分の良心と責任で切符を買いなさいということでしょうか。ただ乗りなどするような人はいないよとでも言われているみたいです。すべてがそのような感じでした。バスに乗っても自己申告ですし、会議にはすべて、ビール、ワイン、ジュース、水と置いてあり、自分の責任において飲みなさいということでしょうか。飲み過ぎて酔っぱらう者などいないのでしょう。人として生きる上で何が大切なのか。神様を愛し、人を愛することが徹底しているような国に感じました。
ところが、教会への礼拝出席は悪いのです。五千人入る礼拝堂でも三十人か四十人。地方の教会でよくて二十人。悪ければ五人という教会もありました。生活の全てがキリスト教化されてしまって、いつのまにか、もっとも大切なキリストの存在がなくなってしまっているのかもと感じました。今回のドイツへの旅で神様は何を教えてくださったのか。じっくりと考えているところです。