「共通の違い」
結婚式などで教会にこられる方の多くが、「カトリックとプロテスタントとはどう違うのですか」という質問をされます。いままでは、違いについて説明してきました。しかし最近では、違いを説明するよりも「共通の部分」を説明した方がいいなあと思っています。すると、皆さんが関心ある部分ではほとんど一緒ということがわかるからです。「カトリックとプロテスタントとはどう違うのですか」という質問に関しては、「同じキリストの教会です」と答えたときに安心されるからです。
それでは違いはないのか。もちろん教理の部分で多少考え方が違います。とはいっても、そのことによって教会の存在が崩れさるようなものではありません。違いは違いと認めて、同じキリストの教会として、共に歩くことの方が大切だと考えています。いままでの教会の歴史は「ここが違う、あそこが違う」と違いを考えてきました。ところが、現代は違いは認めつつ同じ部分で一致していこうという流れがあります。同じキリストの教会にある兄弟姉妹なのですから、当然だといえます。
本日、アウグスブルグでローマ・カトリック教会とルーテル教会は「義認の教義に関する共同宣言」に調印いたします。キリスト教の歴史にとっては、大きな出来事です。しかし、キリスト教の歴史では大きなことでも、私たちが現在生きている、この教会においては、あたりまえのことだと言えます。私たちが救われるのは、神さまから与えられる信仰によってだからです。そのことは、ゆるぎもないことです。今回の調印はルターの考えを認めたものというより、信仰による神の義と救いの確信を、ともに心に刻んだにすぎないと言えます。私たちキリスト者はキリストにあって兄弟姉妹です。どこの教会に属していても、共に歩むことができるのです。感謝。