なぜ急ぐの
クレヨン牧師のミニエッセイ
「なぜ急ぐの」
京都教会に出張のおり、ニュー新幹線「のぞみ」に乗りました。新しいものには興味があるので、いろいろと見て回ったりして楽しみました。たしかに快適にできています。また赤ちゃんへの配慮や、お年寄りへの配慮もみられました。しかし、なんといっても「速さ」は格別でした。窓際にのってみると飛行機にのっているような音がするのでした。
さて、どれくらい速いか。私はいつも大阪へいくときは文庫本を買って乗ることにしています。いつもなら一冊ちょうど読み切るのですが、これが読み切れないほどの速さです。往復二冊でしたが「のぞみ」でいけば、一冊半となりました。私は半分残った文庫本をながめて、やっぱり「のぞみ」は速いと実感しました。
しかし、この新幹線に誰が「のぞみ」と名前をつけたのでしょうか。そしてなぜ「のぞみ」としたのかと思います。速く走ることによって何をのぞむのだろうと思ったのです。
朝五時の京都駅でみた光景は寒気さえしました。それは、貨物車にのせられた何十台ものトラックが目の前を通り過ぎていったのです。なんで急ぐのだろう。なにを望みながら急ぐのだろう。教会に来たときくらい、「ゆっくりしいや」と神様は言われていますよ。