2019年12月3日火曜日

「神様のもとへ行く信仰」

クレヨン牧師のミニエッセイ

「神様のもとへ行く信仰」
 
 坂昌子姉が神様のもとへ帰天されました。まだ47歳という若さでした。その人生はまさに「太く短く」と表現するにふさわしいものでした。ひたすら仕事に走り続けられた生涯でした。家族の皆さんも誇りに思うと言われたほどに、休む間もなく一生懸命に生きてこられたのだと言えます。
 
 坂昌子姉の受洗は、神様の導きとしか言えないものでした。お母さまと娘さんの洗礼日の前日、「私も洗礼を受けたい」と言われました。教会としては「喜んで」お受けしました。親子三代で同じ主の道を歩む決心をされたのです。しかし、受洗してまもなく脳腫瘍がみつかり緊急手術を受けられました。お医者さんは「このまま帰れないか、植物人間になるか、よくて車椅子生活になります」と宣言されました。手術まで何人かの方々と祈り、聖水を注いでお祈りしました。すると、奇跡的に手術は無事に終わったのでした。
 
 それから1年、身辺の整理をされ、最後に教会に納骨されてあるお父さまのお写真をきちんとしたものにしたいと、訪ねてきてくださいました。そのとき「牧師先生、私の死はもうすぐです。でも、死んだらどこへいくかわかってます。神様のもとへ行くのだから安心しています」と言われたのが5月でした。
 
 最後まで気がかりだったのは、7月にあるお父さまの召天記念祭でした。昏睡状態になる前の日まで「ルーテルに行く、教会へ行く」と何度も言われたそうです。最後の安心の場所がどこか知っておられたのだと思います。
 
 私たちには死んでも帰る場所がある。そこにはみんな帰っていくのです。だからこそ再び会える希望があります。「私を信じるものは死んでも生きる」と主イエスは言われました。そこに大きな希望と平安があります。